Phase8:手術の種類は?

そして乳がんの手術方法にも色々あります。

A:乳房温存手術(3種類あります)

1.乳房扇状部分切除術
しこりとその周辺の乳腺を乳頭を中心に扇型に切除します。
温存手術の中では比較的大きく部位を切るので、
比較的しこりが大きい場合でも取り残す可能性は少ないです。
必要に応じては脇の下のリンパ節を郭清(切除)します。
その代わり広く部位を取るので、残った乳房にガン細胞が取り残される事がある場合には再手術は必要となり、
それ以外にも放射線治療を受ける必要があります。

○メリット:しこりが大きい場合にも取り残す可能性が少ないですし、
手術自体が小さい箇所の切除で済むので肩の運動障害などが軽くて済みます。
術後のリハビリ次第では早く回復するでしょう。
×デメリット:扇型に切除するので、胸自体のバランスが悪くなるため工夫が必要。
またリンパの郭清をした場合には腕の浮腫(むくみ)が出る場合があります。

2.乳房円状部分切除術
しこりとその周囲の乳腺を部分的に円状に切除し、脇の下のリンパを郭清します。
但し残った乳房にガン細胞が取り残される可能性があるので、放射線治療が併用されます。

○メリット:切除する部分が小さいので、あまり胸の形の変化はないかも。
×デメリット:切除する範囲が小さいので、1.の術式よりガン細胞が取り残される可能性があります。
リンパ郭清をしますので、腕の浮腫が出る可能性があります。

3.腫瘤摘出術
しこりだけを摘出する方法です。私は一番最初はこれでしたが…(涙)必要に応じてはリンパ郭清もします。

○メリット:ほとんど胸の変形はないと思います。
×デメリット:非常に切る部位が小さいので、ガン細胞が残る可能性が大きいです。
リンパ郭清をした場合は腕の浮腫が出る可能性があります。

B.乳房切除術

1.胸筋合併乳房切除術ハルステッド術式とも呼ばれ、長い間主流とされていた術式です。
要は乳房・皮膚・大胸筋・小胸筋・脇の下のリンパ節及び鎖骨下のリンパまで切除すると言うフルコース。
今はほとんど使われていない手法の一つです。

○メリット:ガン細胞が乳房や周辺にある場合には、完全に取り除く事が可能。
×デメリット:脇の下が凹んだり、肋骨が浮き出ます。腕や肩の運動障害が出るので、
術後のリハビリはきっちりやらないといけないです。腕の浮腫が出る事もあります。

2.胸筋温存乳房切除術

今日本で一番主流な術式。乳房を全て切除し、脇の下のリンパや鎖骨下のリンパの郭清も行います。
○メリット:胸筋を残す事によって、腕や肩の筋力低下や運動障害の程度が低く済みます。
×デメリット:腕の浮腫が出る事もあります。腕や肩の運動障害が起こるので、術後のきちんとしたリハビリは欠かせません。
また皮膚が異常に過敏になるにも関わらず、二の腕などの感覚がないので怪我に注意が必要です。

以上の術式の中から、自分の病状と状況と要望に合わせて術式を決める訳ですが、
これは誰も決めてくれません。
そう、自分一人の戦いです。
見た目がどうとか、痛みがどうと言うより、
「長く生きる為にはどうしたら良いの?」と言う事をメインで考えて下さい。